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 企画展 

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プロパガンダ −社会主義国のポスター美術−
Propaganda Poster

2024/10/11 - 12/22

プロパガンダはいつも民衆を引き込む力に満ちている。逆に言えば、魅力的でなければプロパガンダは成功しない。作家の辻田真佐憲は「『楽しいプロパガンダ』こそもっとも効果的なプロパガンダ手法」だと述べている。

デジタル大辞泉によれば、「宣伝。特に、ある政治的意図のもとに主義や思想を強調する宣伝」がプロパガンダの意味だ。その語源は「宣伝」であるから、マスメディアを用いるコマーシャルも広い意味ではプロパガンダだ。現代の日本であっても、商品またはサービスの宣伝のため、プロパガンダポスターの手法が利用される。多方面でロシアアヴァンギャルドがオマージュされている。これらの芸術様式は、社会主義国の中で「伝えること」を突き詰めて生まれた、洗練された芸術であると言えるのではないか。

本企画では、二つに主眼を置いている。一つ目は、純粋にポスター美術を楽しむこと。そしてもう一つは、大衆扇動に対して賢い市民を育てることだ。展示構成は、以下の四つに大きく分けている。

​①社会主義国

社会主義国とプロパガンダがなぜ結びつくのか。それは、社会主義国が世界初のイデオロギーに基づく人工的な国家だからだ。共産主義の理想やその成果を示し、正当性を国内外に強くアピールしなければならない。宿命のようなものだ。

ポスターは、政権の姿勢によって様式・手法の傾向が変化してゆくのが可視化できる。また、後追い社会主義国はソ連のポスターを取り込み、新しい様式・手法を生み出してきた。

・ソ連:ロシアアヴァンギャルド(ロシア革命)→ロシア構成主義 とシュプレマティズム→社会主義リアリズム(スターリン)→反米(冷戦期)

・中国:写実的(建国期)→毛沢東の神格化(文化大革命期)→対外・女性(収束期)→先富論(改革開放期)

・北朝鮮軟化(日朝首脳会談前後)

②戦争とポスター

ここでは資本主義国(日本・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・インド)と世界大戦を見ていく。

③現代とプロパガンダDNA

政治的でない場面に登場するプロパガンダポスターのDNAを見ていく。

日本の広告:JR東日本・BOOKOFF

媒体としてのポスターの力

【教育普及活動】「気持ちをプロパガンダしよう!」:ポスターの文字部分を身近な人へのメッセージに書き換える。できあがったポストカード大のポスターは、お土産またはプレゼントになる。平和のためのプロパガンダを体験。

⓪講演活動

​政治的な角度からと芸術的な角度からの知見を得るために、それぞれの分野の専門家を呼ぶ。

プロパガンダはいつも民衆を引き込む力に満ちている。情報社会を生きる我々はよりいっそう気をつけなければならない。

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